会社をサボった。

なんだかつらくなった。

 

月曜日から、会社を休んでいる。

理由は単純。

 

 

行きたくないから。

 

社会人1年目、毎日何かしら仕事でミスをして注意されて。

その先輩は嫌味で言っているわけじゃないし、一度言ってそれでおしまい。何度も何度もネチネチいうわけじゃない。

私を早く一人前にしたいから言っているんだろうし、少しでも覚えるようにと伝えようとしてくれるのもわかっている。

 

頭でわかっていても、心がついてこない。

 

その先輩は、少し言い方がきつい。

最初に会った時、「怒っているわけではないからね」と言っていた。

もちろん、今でもそうだと思う。怒っていることもあるのかもしれないけれど、私が気づいていないだけかもしれない。

 

そして、配属された部署では私を含め、新人は2人。

私は離島から上京してきた身で、もう一人は離れたところから通ってはいるが地元の子。

 

最初は差はなかったものの、時間が経つにつれ、同期の順応性の高さが見え始めてきた。

電話応対もすんなりこなし、教えられた業務もサクサクこなしていく。

部署の先輩方とも仲が良く、よく笑って話をしている。

 

私が苦手としている、少しいい方のきつい先輩は、恐らく同期を気に入っている。

優しくて気が利くし、その先輩とも趣味が近くて、仕事もすんなりこなす。

 

こんなにいい子はいるのだろうか。

 

私は純粋に同期が羨ましいと思う。

私には持っていないものを、すべて持っているように感じた。

 

私は。

 

私は何ができているのだろう?

 

会社でも一人ぼっちになっているような気がした。

 

なぜ、会社で働いているのか、わからなくなった。

 

高校を卒業して、親元を離れて上京してきて三か月弱。

 

 

月曜日の朝の憂鬱さに耐えられなくなった。

 

 

地元に帰りたいわけじゃない。

ただ、今のつらさを、寂しさを埋めたいだけだった。

 

もう何もわからなくなって、会社のことを考えるだけで涙が出る毎日。

 

もう嫌だ、行きたくない。

 

その思いで会社を休み、進学して夏休みに入っていた彼氏の元に行った。

 

彼氏以外誰とも会わない平日は、すごく気が楽だった。

 

きっと、「新人のくせに三か月目で何を甘えているんだ」「サボっているうえに何してるんだ」と怒る人もいると思う。

 

でも、私には本当に無理だった。

一人で家にこもっていたらきっと涙が止まらなかったから。

ずっと苦しいままだったから。

 

もちろん彼氏に事情は話した。もちろん怒られた。

「踏ん張りどころだったんじゃない」と。

 

今にしてみれば、そう思う。

あの時休んでいなければ、きっと今日も苦しみを心に封じ込めて会社に行っていたと思う。

 

でも、それは結局先延ばしにしているだけで。

いつかこうなること、心が折れることは時間の問題だと思っていた。

もう、ずっと前から目に見えていた。

 

親に相談したら、「帰ってきて頭を冷やせ」と言われた。

怒られはしなかった。「そういう人もいるんだよ」と。

 

それを今朝部長に伝えた。すると、「ちょっと話をしよう」と言われ、少し外出。

 

誰が私のストレスの原因になっているのか、部長はもうすでに分かっていた。

「確かにあの人はちょっと言い方がきついよね。」

 

その人は決して嫌味などで言っていないこと、ちゃんと対処はこちらでするということ、その先輩や部署のみんなが心配していることを、部長から伝えられた。

そして、忙しくてサポートができていないことが申し訳なく思っているということも聞いた。

 

今は有給がなくて休むと欠勤扱いになるから、給料が減ってもったいないからあんまり長く休まないほうがいいと言われた。

 

無理はしなくていいけれど、頑張って明日から来てほしい。長く休んだら逆に来づらくなるよ。

今はまだいろいろ詰め込まれて大変だと思うけど、きっと一年すれば慣れるから。なれる前に辞めるのはもったいない。

と。

 

全部、頭の中ではわかっている。

 

でも、行くのが怖い。

 

またミスをして怒られるんじゃないか。

また一人ぼっちなんじゃないか。

 

話したのは一時間ほどだった。たった一時間のはずなのに、長く感じた。

 

一時間も取らせてしまったことを申し訳なく思うのと、明日から行くことができるのだろうかという不安で胸が苦しくなる。

 

どうしたらいいのか、わからない。

 

今回この場面に直面して、選択する練習と逃げる練習をしてこなかったんだと痛感した。

 

上京してきて、多くの選択を迫られ、正直戸惑いが隠せない。

 

なんでたった数か月で、すべて自分で決めなければならないのだろう。

 

そんな思いでいっぱいになる日もあった。

 

そして、正しい選択をすることができているのかもわからない苦しみは、気づかないうちにストレスになっていた。

 

わからないことだらけの三か月。

 

18歳が一人で生きていくのは大変だと、つくづく思った。